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業 その2

2016.11.12.Sat.12:30
922 :916:2008/11/12(水) 10:32:56 ID:VFmdt4PO0

屋敷まで戻った曾爺ちゃんは、当代に「供養試みたが、このままでは祟りは収まらない」と言った。
そして、
「あなた方は業が深いので、言えないことも多いと思う。
 三人を死なせたのにも関わっているだろう。
 しかし、祟りが無かったものが何故祟る様になったのか、何でも話せる事があれば言いなさい」
と言ってみたそうだ。

当代も言い辛かっただろうが、話した内容はこうだった。
父にあたる先代は、乱暴で狡猾な人物だったそうで、若い頃から問題ばかり起こしていたそうだ。
それでも、先々代が存命の内はまだマシな方で、先々代が亡くなると、素行に歯止めが効かなくなった。
多くの村人を巧妙に利害で巻き込みながら悪事を繰り返し、
村では誰も逆らうことが出来なくなってしまったそうだ。

祟っている3名の死にも、先代は関わっているらしい。
それから先代は、三年前に実の妹に殺害された。
多分これが、最初の祟りじゃないかとのこと。
そして祟りで死ぬ前に、あの3名の女性と関わりのある男に罪を着せて殺している。もちろん私刑だ。
それ以来村では、身内や血縁者を殺してしまう事件が時々起こるようになった。


923 :916:2008/11/12(水) 10:34:46 ID:VFmdt4PO0
曾爺ちゃんはこの話を聞いて、その殺された男をまず供養しないとこの祟りは収まらないと思ったらしく、
墓の場所を訪ねた。
当代の答えは、「墓はない。埋めただけになっている」と話し、埋めた場所に次の日に行くことになった。
曾爺ちゃんは、その晩は屋敷には泊まらなかった。
明日の事を考えたら、ここで気力を消耗したくないって気持ちになったらしい。

次の日、当代と村の男数名に案内されて、その男の埋まっている場所に出かけると、そこは村はずれの藪の中だった。
ジメジメと腐った枯れ草が覆い被さり、枯れ草の隙間から育ちが悪い感じの雑草が生えている。
そこに高さの余りない盛り土があり、近くには申し訳程度の供え物が朽ちていた。
曾爺ちゃんは、「ちゃんと埋葬し直して供養しなといけない」と当代に言って、掘り返させた。

大して掘り返さないうちに死体は現れ、出てきた死体はやはり普通の状態ではなく、無惨に切り刻まれていて、
五体ばらばらどころか、肉片がいくつも出てきたらしい。
ただ不思議な事に、三年前に死んだはずの死体は、腐敗せずに湿り気を帯びていたそうで、
曾爺ちゃんは、呪物になっているな、と感じたそうだ。


924 :916:2008/11/12(水) 10:35:35 ID:VFmdt4PO0
この辺の詳しい理屈は、爺ちゃんには分からないらしいが、
多分殺された男は、3名の女性を弔っていた者で、そのことで3名の霊的な干渉良くも悪くも受けていた。
しかし殺された後は、本人の無念も重なって、3名の祟りの呪物化したのではないか、って感じの話をしていた。

とにかく曾爺ちゃんは、男の遺体から頭髪の一部を切り取った後は、
全てカメに詰めて埋め直し、経をあげて供養した。
供養といっても、成仏させた訳ではないらしいが、
成仏させるわけにもいかなかったので、その地で安息できるように色々したようだ。
頭髪の一部を切り取ったのは、業が深すぎる件なので、関わった自分への祟りも有ると思い、
この男を、自分も供養しないと危ないと思ったかららしい。

曾爺ちゃんは、当代にこんな注意をして別れたそうだ。
・あなたの直系は、子々孫々まで男の命日の供養を欠かさないこと。
・3名の墓を除いた墓地にある他の墓を、村の近くに移すこと。
・墓を移したら、誰も3名の墓に近づかないこと。
・祟りや3名の霊が現れることがあったら、男の墓に供物を捧げ助命の願をかけること。


925 :916:2008/11/12(水) 10:37:12 ID:VFmdt4PO0
曾爺ちゃんは村にはあまり長居したくなかったそうで、
旅費位にしかならない報酬を貰った後は、
来たときと同じように、地元の議員さんやら有力者に挨拶をすましてから、一人で家に帰った。
そして、家族に男の髪が入った箱をみせて、この話をしたそうだ。
もし自分が祟りで倒れた場合に、この髪の供養を続けて貰わなければならないから。

この件で、曾爺ちゃんが坊主を辞めなくてはならなかった理由は、
曾爺ちゃんがやった方法は、呪い返しに近い方法であって、
それがお偉いさんにしれた時に、世話になった上司?の立場をかなり悪くしてしまったからだそうだ。
何か歴史物では、お偉い坊さんが権力者に頼まれて呪ったりする話が有ったりするが、
下端の坊主が何かすると厳しいのかな?

まぁ大体こんな感じの話。文章が稚拙ですまない。


926 :本当にあった怖い名無し:2008/11/12(水) 10:56:00 ID:4qbcqgPl0
>>916
ありがとう!
こんな複雑な話、なかなかこんなうまくはまとまらないと思う。
久々に読みごたえあるのが来てゾクゾクしたよ。
今おうちは大丈夫なの?
なんか影響とかなければいいんだけど。


928 :本当にあった怖い名無し:2008/11/12(水) 11:30:10 ID:YLLZP8Ai0
>>916
いつもは長い話はスルーしてるけどすごく興味深く、惹き込まれて読んでしまった。
あと読みやすかったよ。
その髪の毛、今はどうしてるの?


929 :本当にあった怖い名無し:2008/11/12(水) 11:34:35 ID:OKebdCUT0
>>916 お疲れです。すごく面白かった。
その後男性の呪いは、曾爺ちゃんに向かなかったのでしょうか?
頭髪はおじいちゃんも見たことがあるのかな?
他にも話があるなら是非読んでみたいです。


930 :916:2008/11/12(水) 11:52:13 ID:VFmdt4PO0
あう、こんなに反応があるとは。何だか申し訳ない。
>>926,928,929 
うちの家系には、祟りのようなのは無いっぽいです。
髪の毛は結局、話に出たカメに入れて埋めたらしい。
話に書いた当代が、その男の人の墓を盛り土じゃなくて墓石やら置いて綺麗に作り直した時に、
当代の家系が供養をちゃんとやってるから、それなら呪物化した物をあまり家に置くのは良くないって事で、
曾爺ちゃんが戻したらしい。
犬神とかの話からすると、呪物を祀ってると地獄行きらしいですからね。
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コメント

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